ご紹介する症例は下顎のインプラント症例である。下顎に4本インプラント埋入してあるが、そこに至るまでの準備として左下臼歯部インプラントの除去及び前歯部の抜歯、及び感染部の清掃消毒、装着予定の下顎インプラント補綴にバランス良く垂直方向になるべく咬合力がかかるように上顎補綴に平行となるように下顎顎堤を平坦にします。なるべく頬舌的に広くなるように削除します。上顎の場合は破骨鉗子でできますが下顎では骨が緻密な場合が多く、バーを使用して生食注水下で大胆に削っていきます。
まず最初はこの部位には今回インプラントはしないのですが下顎正中部に方向指示棒を立てます。これには3次元的に上顎咬合面に対して垂直に、また咬合した時方向指示棒の先は上顎切歯の基底結節より口蓋側に位置しなければなりません。この方向をガイドに前歯部に2本のインプラントを下顎のアーチを考慮して方向指示棒よりやや舌側に注意深く埋入します。幅の関係でそれができない場合は方向をやや舌側になるようにします。即時荷重なので40-50Ncmのトルクでの埋入となるようにドリル形成のドリル径や深さを工夫します。カウンターボアーは最小限としています。ボーンミルでインプラントプラットホーム周囲の骨を丁寧に削除してマルチユニットアバットメントを装着します。最初は20Ncmのトルクで締めます。最初から推奨トルクで締めることはしていません。次に奥の方に進みます。オトガイ孔前方部の位置をマーキングし約2mmの安全域を確保します。後方インプラントの傾斜を決定し安全域を犯さないようにドリル開始点を決めてマークします。今回の症例は約30度の傾斜が適当と思われるので、正中のガイドピンと後方ドリル開始点からの傾斜方向を真ん中に集めるように、つまり下顎骨骨中を通過するようにドリル角度方向を決めこの方向に忠実にドリリングを集中して行います。マロガイドを使うと便利ですが私は使っていません。両側を埋入ししっかり45Ncmでマイ乳したら今度は角度付きアバットメントをつけます。アバットメントの形態を考慮して必要であれば周囲骨の整形を行います。手締めでの装着は困難なのでマシーンにドライバーをつけてインプラント埋入方向に正中の方向指示棒となるべく平行となるように装着方向を選択します。これでインプラント埋入とアバットメント装着は完了です。これから軟組織のトリミングと縫合、そしてインプラント補綴の補綴の製作に入ります。アバットメントにシリンダーを装着し縫合を完了します。粘膜は不動粘膜をたくさん残すため余るように縫合します。アバットメントが見えなくなるようでしたら最小のパンチンングを行って縫合します。用意しておいたラバーダムに4個の穴を開けシリンダーに通しその上からシリンダー部に穴を開けたプロビジョナルブリッジを置いて咬合を確認してよければシリンダーとプロビを即重レジンで固定します。効果時間後今度はプロテンプを残ったスペースに注入します。硬化後シリンダーのゴールドスクリューを緩めプロビを外します。その後急いでラボでプロビを完成させます。アバットメントの上には必ずヒーリングキャップをつけてください。完成したプロビを患者さんにつけて咬合調整して完了です。この過程をすべて1回で行います。術後は硬いのもは避けてください。2−3日はバナナシェイクのような流動食が中心になります。2、3週間したらうどんや柔らかめのお蕎麦や粥などが望ましいと思います。やわらく美味しいものを工夫します。しゃぶしゃぶなどはよろしいと思います。
聘珍楼の冷やしそばなども時間をかけてたべればグーです。これ私の大好物です。クラゲはさけてください。